「新築の家に引っ越したばかりなのに、コンセントから隙間風が・・・これって大丈夫なの?クレームいれるべき?」
不動産屋兼、工務店で宅建士をしているMAXXです!
新築の家に引っ越したばかりなのに、コンセントから隙間風を発見してしまい、建物の品質に不安を感じていませんか?施工不良ではないかと疑問に思っている方も多くいると思います。
新築のコンセント隙間風の原因には、建築工法により仕方のない場合や、断熱材のなどの密封施工の不十分が原因の場合など、いくつかの要因が考えられます。一般住宅やコストを抑えた建売などでは起こりやすいかもしれませんが、高気密住宅仕様の新築での隙間風は怪しいのでクレームを入れる検討をしてもいいと思います。
基本的に隙間風は床下から来ています。なので隙間風があるからと言って、雨漏りを心配する必要はありません。
原因を解明して、自分で対応できであればは対策し、どうしても気になる場合は、工務店・ハウスメーカーに相談しましょう。
この記事では、隙間風の原因や、新築のコンセント隙間風に対する対策について解説し、クレームはありなのか判断するためのポイントを紹介します。
この記事のポイント
- 新築のコンセント隙間風の原因や対策方法が理解できる
- 隙間風が発生する理由が床下や気密処理の不足にあることがわかる
- クレームを入れるべきかどうか
- コンセントの隙間風に対する具体的な対応策
新築のコンセント隙間風の原因(クレームを入れるのはありか?)
新築のコンセントの隙間風の原因は様々考えられます。以下の視点で解説します。
- コンセントから隙間風が入るのはなぜ?
- 隙間風は床下から流れてくる場合がほとんど
- 一軒家で換気扇を回すと隙間風が起きる理由
- 高気密住宅でなければ施工不良でなくても外気が流れる場合がある
- 高気密住宅でのコンセント隙間風の問題
- コンセント隙間風とC値の関係
- 通気されていることでシロアリ予防になる
- コンセントからの隙間風にクレームを入れるのはありか?
- 私は新築のコンセントからの隙間風のクレームを受けたことはない
コンセントから隙間風が入るのはなぜ?
コンセントから隙間風が入る原因は、主に気密処理の不十分さにあります。
新築住宅であっても、工法による問題や壁内の断熱材の施工方法、コンセントボックス周辺の処理が適切でない場合など、壁の隙間から外気が室内に入り込むことがあります。
特に、気密シートや防湿シート・断熱材がしっかりと施工されていない場合、外部や床下からの冷気がコンセントの差込口を通じて室内に漏れやすくなります。
ただし、工法によっては隙間風があったとしても、施工不良ではない場合もあります。
隙間風は床下から流れてくる場合がほとんど
新築のコンセントからの隙間風は、外壁の隙間などから風が直接入ってくることは考えられません。
外とコンセントボックスとの間には、外壁材・防水シート・パネル壁・断熱材が雨水を通さないように施工されており、外の風が直接入ってこれない構造になっています。外壁から直接風が入ってきているのであれば確実に施工不良なのでクレームを入れましょう。
ではどこから風が入ってくるのかと言うと、床下の基礎部分から通気口や根太の隙間から流れ込んでくる場合がほとんどです(上の画像参照)
住宅には基礎と家の土台の間に、床下に湿気が籠らないようにするための通気口が設けられています。外からの風はそこから入ってくるようになっています。
床下に流れ込んだ風は、外壁材と防湿シートの間にある通気道を通り、屋根裏に抜けけて、外に出ていくようになっています。これは家全体が湿気が籠らないようにするためです。
コンセントからの隙間風は、床下から天井に抜ける間で、断熱材やコンセントボックスの密封不足などにより隙間風となって室内入ってくるのです。なので、隙間風があるからと言って、雨水が入ってきて雨漏りまで心配という事はありませんのでご安心ください。
根太床+胴縁の隙間が原因の場合
根太床+胴縁を施工している場合、コンセントへの隙間風が発生しやすい場合があります。
根太床は、床の施工法の一種で、この施工をおこなうと基礎と床材との間に空間ができるので、隙間風が通りやすくなります。
胴縁には、耐震性を向上させる効果があります。壁材を取り付けるための横木で、壁全体の強度を高める役割を果たします。特に、外壁材や内壁材をしっかり固定することで、建物全体の剛性を向上させ、地震などの横方向の力に対する抵抗力が強くなります。
しかし胴縁を施工することで、コンセントカバーと壁面との間に隙間ができるので、その間から隙間風が入ってくる原因になる場合があります。
以上のことから、根太床+胴縁施工の場合は、コンセントからの隙間風が入ってきやすくなります。
断熱材の密封処理が甘い場合
断熱材が密封されていないことにより、断熱材と壁面パネルの間から隙間風が入ってくる場合もあります。
断熱材は、外気と室内の温度差を遮断する役割がありますが、施工時にしっかりと隙間なく設置されていないと、壁内を冷たい外気が通り、コンセントやスイッチ周りからその冷気が漏れてくることがあります。
特にグラスウールのような柔らかい断熱材は、施工時の不注意で押し込まれたり隙間が生じやすいため、断熱効果が落ちやすいです。また、コンセント周辺には穴が開けられるため、その周囲の気密処理が甘いと外気が入り込む原因となります。
一軒家で換気扇を回すと隙間風が起きる理由
換気扇を回すと隙間風が起きるのは、室内と壁内の気圧差が原因です。
換気扇は室内の空気を外部に排出する役割がありますが、その際、室内の気圧が下がり、負圧状態になります。この負圧状態により、外部の空気が家の隙間やコンセント、スイッチの間から吸い込まれやすくなるのです。
特に、計画換気の一環として24時間換気システムが設置されている住宅でも、換気扇を強く回すと、その吸引力が増して、通常の吸気口では補いきれなくなります。その結果、気密処理が不十分な場所、例えばコンセントの隙間やスイッチボックスの周辺が、新たな吸気口となってしまうのです。
換気扇を使用する際には、近くの窓を少し開けて外気を取り入れ、換気のバランスを取ることも効果的です。これにより、コンセントやスイッチからの隙間風を減らすことができます。
一般住宅の場合施工不良でなくても外気が流れる場合がある
一般的な住宅では隙間風に対する処理が省かれることが多くあります。この処理を省いたとしても、施工不良ということはなく建築としては問題ないからです。
建築工法が胴縁や根太工法の場合は、隙間が多く生まれるので、隙間処理が不十分である場合は、隙間風が発生しやすくなります。
隙間風が気になる場合は、後記の対策を講じるか、最初から高気密仕様の住宅を選ぶことが重要です。
高気密住宅でのコンセント隙間風の問題
高気密住宅で隙間風が発生している場合は、隙間の封鎖処理が不足している可能性があります。ただし、家の形が特殊な場合などは、隙間を完全に封鎖するのが難しく。すべての隙間ふ封鎖できない場合もあります。
高気密住宅では、特にこのような小さな気密欠損があると、室内の圧力差により、隙間風が顕著に感じられます。
高気密住宅であるからこそ、小さな隙間も見逃さない対策が必要です。隙間風を発見したら、早めに工務店やハウスメーカーに相談して、対策してもらうようにしましょう。
コンセント隙間風とC値の関係
C値とは、住宅の気密性を示す指標で、住宅内部の隙間面積を床面積で割った値を指します。
C値が低いほど、住宅の隙間が少なく、気密性が高いといえますが、コンセントの隙間風はこのC値に直接影響を与える要因となります。気密処理が適切に行われていないと、コンセント部分からの隙間風が生じ、C値が高くなり気密性が低下してしまいます。
たとえ住宅全体が高気密設計されていても、コンセント周辺の小さな隙間がその性能を損ねることがあります。C値を低く保つためには、コンセント部分の気密カバーやテープを使用し、隙間を徹底的に塞ぐことが重要です。施工時には、気密測定を行い、数値を確認することで、気密性が確保されているか確認することが推奨されます。
通気されていることでシロアリ予防になる
コンセントから隙間風が流れてくるという事は、逆に考えると通気性が良い。と考えることができます。
通気が確保されている住宅は、シロアリの予防に効果があります。
シロアリは湿気を好むため、床下や壁内が湿気でこもっている環境はシロアリの繁殖を促進させる要因となります。通気が確保されていれば、湿気が滞らず、乾燥した状態を保つことができ、シロアリが住みにくい環境を作り出すことが可能です。
コンセントからの隙間風にクレームを入れるのはありか?
コンセントからの隙間風にクレームを入れるのは、場合によっては適切でが、必ずしもすべてのケースでクレームが認められるわけではありません。
新築の場合、住宅の気密性が一定基準を満たしていない場合は施工不良として対応される可能性がありますが、高気密住宅仕様でない場合は、工法の問題で隙間風が一般的な現象の場合もあります。
どちらにせよ、隙間風を発見したら自分で対策するよりも、早めに工務店・ハウスメーカーに相談しましょう。
高気密住宅であれば、施工が不十分である場合があるので、クレームとして受け取ってもらえる場合があり、保証期間内であれば無償で修理や補修が受けられることがあります。
私は新築のコンセントからの隙間風のクレームを受けたことはない
私は不動産屋兼、工務店で営業をしていますが、私が担当した新築でコンセントの隙間風でクレームを受けたことはありません。
基本的には、上の写真のようにウレタンの吹付断熱を採用していますが、断熱材が完全に隙間を塞いでいるので、隙間風が入ってくることは考えられません。
新築のコンセント隙間風に対するクレームと対策
実際のコンセントからの隙間風に対する対策を解説します。
- コンセントやスイッチの隙間風と気密テープの効果
- 高気密住宅でコンセント隙間風を防ぐ方法
- 隙間風にはコンセントキャップを使うのが一番安価な対策
- 隙間風防止のためのコンセント防気カバーの使用
- サランラップで塞ぐ猛者もいる
- クレームを入れた場合の流れを予想
コンセントやスイッチの隙間風と気密テープの効果
スイッチやコンセントの隙間風を防ぐためには、気密テープの使用が効果的です。
コンセントやスイッチ周辺には、配線を通すための穴やコンセントボックス自体が気密性を損なう原因になることがあります。このような隙間を埋めるために気密テープを使用することで、外気の侵入を防ぐことができます。
気密テープは、コンセントボックスの周りや気密シートの継ぎ目に貼り付け、隙間を完全に封鎖します。
これにより、壁の中の冷気が室内に流れ込むのを防ぎ、断熱性能を高める効果があります。テープがしっかりと密着するように取り付けることが重要です。
隙間風にはコンセントキャップを使うのが一番安価な対策
隙間風対策として、コンセントキャップは最も手軽で安価な方法です。
使っていないコンセントに差し込むだけで隙間をふさぎ、冷気や外気の侵入を防ぐ役割を果たします。簡単に手に入り、数百円程度と低コストで導入できるのが魅力です。
根本的な気密処理ではないため、気密性の高い住宅や冷気が気になる場合は、防気カバーや気密テープなどの追加対策を検討するのも効果的です。それでも、まず簡単に試せる対策として、コンセントキャップは有効な選択肢です。
隙間風防止のためのコンセント防気カバーの使用
コンセントカバーも隙間風に有効です。コンセントボックスに装着して隙間を封鎖するための部品で、主に気密性を高めるために使われます。
このコンセントカバーは取付も簡単でコンセントキャップより見た目は良くなります。適切に施工することで、コンセントからの隙間風が減り、快適な住環境を保つことが可能です。
サランラップで塞ぐ猛者もいる
コンセントカバーやコンセントキャップで納得いかない場合、サランラップで隙間風をシャットアウトすることもできます。
@Kaizen home lifeチャンネル様の動画を紹介します。
できそうな方はチャレンジしてみてください。
高気密住宅でコンセント隙間風を防ぐ方法
基本的な対策は高気密住宅でも一般住宅でも同じです。
高気密住宅では、コンセントからの隙間風を防ぐために、施工時から徹底した気密処理が求められます。
施工後には気密測定を行い、C値を確認して気密性能が確保されているか確認します。気密処理が適切に行われていれば、コンセント部分からの隙間風は大幅に減少し、室内環境の快適性が向上します。特に、高気密住宅であれば、施工時の細かな処理がその後の快適な生活に直結するため、注意が必要です。
高気密住宅で隙間風が発生しているのであれば、工務店・ハウスメーカーに早急に相談するのが無難です。
クレームを入れた場合の流れを予想
建築会社や施工業者に連絡
- 隙間風の発生について現状を報告し、調査依頼を行う。
業者による現地調査の実施
- 気密処理や施工方法を確認するため、業者が現地調査を行う。
施工不良が判明した場合
- 保証期間内であれば、無償で修理対応(防気カバーや気密テープの追加など)を行う。
設計上の仕様と判断された場合
- 業者が問題ないと判断した場合、再度詳細な説明を求める。
コンセントキャップやカバーで対応する。
第三者機関によるインスペクションを依頼
- 客観的な意見を得るため、第三者の住宅診断を依頼する。
現状を知ることができるだけで、隙間風の対策にはならない。
新築のコンセントからの隙間風を発見したらクレームを入れるか検討しよう
新築のコンセント隙間風の原因には、建築の工法により仕方のない場合や、断熱材の施工不十分など、いくつかの要因が考えられます。
しかし高気密住宅仕様であれば、隙間風が入ってくるのは怪しいので、工務店・ハウスメーカーにクレームをいれてもいいかもしれません。
隙間風があるからと言って、雨漏りの発生は考えにくいので緊急性はありません。
隙間風を見つけたら、原因を確認して、自身で対策できそうであれば対策し、どうしても気なるようであれば、工務店・ハウスメーカーへ相談して点検を行いましょう。
- コンセントから隙間風が入る原因は気密処理の不足によるもの
- 新築でも断熱材の施工が不十分や工法により隙間風が発生する
- 隙間風の多くは床下から流れてくることが多い
- 換気扇を回すと室内の気圧が下がり、隙間風が発生しやすくなる
- 高気密住宅でも小さな隙間風が問題になることがある
- C値は住宅の気密性を示し、コンセントの隙間風はC値に影響を与える
- 胴縁の施工が隙間風の原因になる場合がある
- 断熱材が不適切に設置されていると隙間風が発生しやすい
- コンセント隙間風は気密カバーや気密テープで防げる
- 通気性がある住宅はシロアリ予防に効果的な場合がある
- 保証期間内であれば無償で修理対応してもらえる可能性がある
- コンセントキャップは隙間風対策として手軽で安価な方法
>>新築3年目の床鳴りはよくある?原因と対策を宅建士が解説します>>
>>新築のリビングが暗い原因と明るくするための具体的な対策方法>>