床鳴りが気になる人
「新築して3年目だけど、床鳴りが気になるわぁ・・・」
新築から3年で、床がギーギーするような音が気になり始めていませんか?
多くの住宅では、新築1年目や築2年目などの初期段階で床鳴りが発生することがあります。この現象は、湿度や温度によって木材が収縮・膨張を繰り返すことが原因で暖房を多用する冬に発生しやすくなっています。
3年目に発生する床鳴りは、通常1~2年の初期段階で出やすいものが遅れて出てきている可能性があります。
基本的には、ワンシーズン様子をみて直るようであれば問題ありません。しかし長期間いつまでも床鳴りが続くようであれば、施工してもらった工務店・ハウスメーカーに相談することをオススメします。
しかし、メーカーによっては床鳴りの保証期間を2年とされてるところが多くありるので、3年目では費用が必要になる可能性もあります。
本記事では「新築3年目の床鳴りの原因は何が考えられるのか?」、床鳴りの直し方とメンテナンス方法、保証期間についても解説します。
新築3年目の床鳴りが気になる方はぜひ参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 新築3年で床鳴りが発生する主な原因
- 床がきしみ始める一般的な時期と理由
- 床鳴りを防止・改善するメンテナンス方法
- 新築住宅における床鳴りの保証期間
- 床鳴りの補修を承った話
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新築3年目の床鳴りの原因と対策
築浅の家の床鳴りに関しては、ある程度原因が絞れることが多いです。以下の視点から床鳴りについて解説します。
- 床がきしむのは何年から?
- 新築の床鳴りの原因は何が考えられる?
- 新築1年目に床がきしむ原因とよくある対策
- 築2年目の床鳴りは自然現象?
- ギーギー音の床鳴りが発生する原因
- 新築の床鳴りの保証期間は?
床がきしむのは何年から?
床がきしむのは一般的に「新築から1〜3年」の間に多く見られます。この時期に起こる床鳴りは、木材が環境に馴染む過程で、湿度や気温に応じた収縮や膨張を繰り返すためです。
新築時にしっかり乾燥させた木材であっても、完全に安定するまでには時間がかかるため、最初の数年間は季節による変化により、床材同士が擦れ合って音が鳴りやすいです。
また自然素材の床材を使用している場合は、木材が呼吸していることもあり収縮や膨張しやすくなります。
また、床のきしみが現れる期間には個人差があり、構造や材質、地域の気候も影響します。例えば、乾燥した季節には木材が縮み、湿気の多い季節には膨張するため、季節ごとに鳴る・鳴らないの差が出る場合も多いです。
さらに、床材や下地材の施工が原因で発生する場合もあり、施工から数年以内に気づかれることが多いとされています。
新築の床鳴りの原因は何が考えられる?
新築住宅での床鳴りは、主に以下のような原因が考えられます。
- 木材の乾燥・収縮
- 新築後の木材は、乾燥や湿度変化で収縮し、床材同士が擦れて「ギシギシ」と音が出ることがあります。
- 温度・湿度の影響
- 季節による湿度や温度の変化で木材が膨張・収縮し、音が発生することが多いです。特に冬場や梅雨時に鳴りやすくなります。
- 施工不良
- 床材の固定が不十分だったり、釘や接着剤が適切でない場合、床材がわずかに動いて「キュッキュッ」と音がする原因となります。
- 下地や構造材のズレ
- 下地や根太がしっかりと設置されていないと、床がしっかり支えられず、音が発生しやすくなります。
- 水分の浸食
お茶などの飲み物をこぼしてしまい、フローリング材の隙間から床下へ浸食したことによる腐食が原因の場合があります。
床鳴りが続く場合は、施工してもらった工務店・ハウスメーカーに点検を依頼し、必要に応じて適切な対処を検討しましょう。
新築1年目に床がきしむ原因とよくある対策
新築1年目での対策としては、まずは施工してもらった工務店・ハウスメーカーに伝えて、点検に来てもらってください。1年目での不具合の場合、ほとんどの工務店・ハウスメーカーは無償で補修してもらえることがほとんどです。
新築1年で床がきしむ原因としては、施工時の釘や接着剤の使用に不具合があるか、木材の乾燥による収縮が考えられます。
木材は湿度や温度に影響を受けやすく、設置後に乾燥が進むとわずかな隙間ができ、その隙間により歩くときに「きしみ音」が発生します。また、施工時の釘や接着剤の使用に不具合があると、床材の緩みが原因で鳴ることもあります。
どうしても自分で直したい場合は、専用の床鳴り防止剤を継ぎ目に塗布する方法があります。
ホームセンターなどで手に入るもので、摩擦を抑える効果があります。さらに、床材の間にクサビや補強材を入れて隙間を減らす方法も効果的です。
ただし、専門的な知識が必要なことも多いため、音が大きい、あるいは長期間続く場合は、施工した工務店・ハウスメーカーに相談することが勧められます。
築2年目の床鳴りは自然現象?
築2年ほどの建物での床鳴りは、自然現象であることが多いです。
新築から2〜3年の間、床材や下地に使われた木材が、周囲の湿度や温度に合わせて膨張・収縮を繰り返しながら環境に慣れていきます。この「慣れ」の過程で、木材にわずかな隙間が生じたり、継ぎ目が擦れたりして「ギシギシ」「ミシミシ」という音が発生するのです。
これは多くの場合、木材が安定するまでに起きる一時的な現象で、季節や天候により鳴ったり鳴らなかったりするのも特徴です。
ただし、築年数が浅い場合でも、床鳴りの頻度や音が増して気になるときには、確認が必要です。場合によっては施工不良や木材の不具合が原因で、同じ箇所が繰り返し鳴ることもあるため、安心のためにも施工してもらった工務店・ハウスメーカーに相談することが推奨されます。
「ギーギー音」の床鳴りが発生する原因
「ギーギー」という床鳴りの音は、主に床材同士が擦れることが原因です。
木材は湿度や温度に影響されやすく、気候の変化に合わせて伸び縮みを繰り返します。その際、床材の継ぎ目や接合部分が擦れ合い、歩くたびに音が出ることがよくあります。特に、冬場など乾燥した季節には木材が収縮しやすく、こうした擦れによる音が発生しやすくなります。
もう一つの原因として、床材を固定している釘や接着剤が緩んでいるケースもあります。
固定が不十分だと、木材が少しずつ動き、釘が擦れることで「ギーギー」といった音が生じます。この場合、床材を再固定するか、緩みを抑えるための補修を行うことで音が改善する可能性があります。いずれの原因にせよ、原因特定には施工してもらった工務店・ハウスメーカーに相談するのが確実です。
新築の床鳴りの保証期間は?
新築住宅の床鳴りに関する保証期間は、工務店やハウスメーカーにもよりますが、通常「引き渡しから2〜10年」とされていますが、「2年間」としている場合が多くあります。
日本の住宅品質確保法に基づき、基本構造部分の欠陥については10年間の保証が義務付けられていますが、床鳴りについては「基本構造部分」に含まれない場合もあるため、工務店やハウスメーカーごとの保証内容や条件を確認することが大切です。
一般的に、引き渡し後1〜2年以内であれば「無償での点検や修繕」に対応しているケースが多いです。しかし、床鳴りが木材の乾燥収縮などによる自然現象や、故意や過失によることが原因と判断された場合、保証の対象外とされることもあります。こうした場合でも、実際の現地調査を依頼して原因を確かめてもらうと安心です。
保証期間を正確に把握するためには、契約書や保証書をよく確認し、不明点があれば工務店や住宅メーカーに質問するとよいでしょう。
新築3年目で発生する床鳴りの直し方と注意点
床鳴りに対して、どのような対策をすれば良いのか解説します。
- 床鳴りの許容範囲はどこまで?
- 新築・築浅の床鳴りの直し方とメンテナンス方法
- 工務店・ハウスメーカーの床鳴りへの対応
- 根太工法は床鳴りが発生しやすい?
- 新築マンションでも床鳴りが起きる理由
床鳴りの許容範囲はどこまで?
床鳴りの許容範囲は、生活に支障をきたさない程度の音であれば、許容範囲とされることが一般的です。
新築住宅では、木材が自然に馴染む過程で発生する軽微な床鳴りが避けられない場合があり、多少の音鳴りは許容範囲と見なされます。例えば、「ごくわずかな音が時折発生する程度」であれば、多くの住宅では問題ないとされています。
ただし、音が大きく頻繁で、歩くたびに気になるような場合には、施工不良や下地の問題がある可能性もあります。日常生活で強く気になる場合や、音が増してきた場合には、施工してもらった工務店・ハウスメーカーに相談して原因を調べてもらいましょう。
新築・築浅の床鳴りの直し方とメンテナンス方法
新築の床鳴りを直す方法には、床鳴りの原因に応じた対処が必要です。以下の方法を参考にするとよいでしょう。
- 水分はすぐに拭き取る
飲み物などを床にこぼしてしまった場合は、すぐに拭き取るようにしましょう。継ぎ目から内部に浸み込んでしまった場合、床の腐食の原因にもなり大変危険です。 - 床鳴り防止剤の使用
床材同士が擦れる場合は、市販の床鳴り防止剤を隙間部分に塗布すると効果が期待できます。これにより摩擦が軽減され、音が出にくくなることがあります。 - クサビや補強材の挿入
床材の緩みが原因の場合、床材の下にクサビや補強材を入れて隙間を埋めることで、鳴りを改善できる場合があります。専門的な作業が必要なため、業者に依頼するのが安全です。 - 工務店・ハウスメーカーの点検の実施
床鳴りが頻繁に発生する場合や自然に収まらない場合は、施工業者に点検を依頼しましょう。定期的に点検することで早期発見・対応が可能になります。
床鳴りは初期段階で対処することで、後々のメンテナンスを減らすことにもつながります。
床鳴り対策グッズ
個人で床鳴りを治すグッズを紹介します。
工務店・ハウスメーカーの床鳴りへの対応
工務店やハウスメーカーは、床鳴りの問題に対して点検や調査を行い、必要に応じて補修や修繕を行うことが一般的です。
新築から数年以内であれば無償点検や軽微な修繕に対応するケースが多く、保証対象かどうかは、契約書や保証内容に記載されています。特に「床のきしみ」が発生した場合、施工業者がどの範囲まで対応するかを確認することが重要です。
まず、軽度な床鳴りであれば木材の自然な乾燥収縮と判断され、対応が限られる場合もあります。しかし、音が大きい、頻度が高い場合や、歩くたびに鳴る場合には、施工不良や材料の不具合が疑われるため、現地調査を依頼すると良いでしょう。現地確認後は、原因や補修方法について書面での説明を求めると、後々のトラブルを防ぐことができます。
保証期間を過ぎている場合や、自然現象として保証対象外とされた場合でも、相談次第で有償修繕が可能なこともありますので、まずは問い合わせてみることが大切です。
根太工法は床鳴りが発生しやすい?
木造住宅を建築する際の床の施工には「根太工法」と「剛床工法」での施工が一般的に多くあります。特徴と違いを理解することで、床鳴りの発生や耐久性についての影響を知ることができます。
根太工法の方が床鳴りが発生しやすい工法になっています。床の工法についは、建物の用途や設計に応じて選ばれています。気になる場合は施工された工務店やハウスメーカーに自分の家は何工法なのか確認してみましょう。
根太工法
根太工法は、床の下に「根太」と呼ばれる横木を一定間隔で設置し、その上に床材を張る伝統的な工法です。
根太は床を支える重要な部分であり、床材が直接根太に固定されます。この工法の利点は、構造が比較的軽量で、施工が簡単な点です。しかし、根太と床材の接合部分が多いため、木材の収縮や膨張によって隙間が生じやすく、床鳴りが発生しやすい傾向にあります。
剛床工法
剛床工法は、根太の代わりに厚みのある合板を用いて床全体を一体化する方法です。
この合板を下地にすることで、床全体が一枚の剛性の高い構造になり、建物全体の耐震性も向上します。剛床工法では、床材の固定面が広いため、根太工法よりも床鳴りが発生しにくく、床のたわみも少なくなります。特に耐久性を重視する建物で採用されることが多い工法です。
新築マンションでも床鳴りが起きる理由
新築マンションでも床鳴りが発生することがあります。その理由には、以下のような要因が考えられます。
- 木材の収縮と膨張
新築マンションでも、床材として木材や合板が使用されている場合、湿度や温度の変化でわずかに収縮や膨張を繰り返します。この変化によって隙間ができたり、床材がこすれ合ったりして「ギシギシ」と音が鳴ることがあります。 - 床材の固定に使用する釘や接着剤の緩み
フローリングを支える釘や接着剤が緩むと、床材が動くことで「キュッキュッ」という音が鳴る場合があります。特に、床材をしっかり固定するために使用された釘や接着剤が部分的に緩むことで、床鳴りが発生しやすくなります。 - 二重床構造の仕様
マンションの多くは二重床構造(フローリングの下に空間がある構造)を採用しています。この場合、床材や下地材が浮いている状態になるため、踏んだ際のたわみが原因で音が発生しやすくなります。 - 季節ごとの温度と湿度の影響
特に湿度が高い夏や乾燥しやすい冬は、床材が膨張・収縮しやすいため、季節ごとに床鳴りが発生することが多いです。
新築マンションで床鳴りが気になる場合、管理会社や施工業者に相談し、原因の確認や調整を依頼すると良いでしょう。
新築から3年のお家の床鳴り補修を承った話
工務店で営業をしている私も、床鳴りの補修を承ったことが何度かあります。あくまで私の工務店で行った対応になるので、施工業者によって対応は変わると思いますので参考にご確認ください。
- 問い合わせから現地確認
- 床鳴りの補修時間は30分も掛からない
- 木材も呼吸をしており温度と湿度の影響の場合が多い
問い合わせから現地確認
新築を建てて頂いたお客様から、床が「ギーギー」音がする。という問い合わせを頂きました。音がするようになってから数日間様子をみているが、床鳴りが続くので問い合わせた。とのことでした。
現地の確認に伺うと、リビングの一部の動線となっている箇所で、確かに床鳴りがしました。
施工した大工と後日補修に伺う約束をしてその日は補修しておりません。
床鳴りの補修時間は30分も掛からない
数日後に、お家を施工した大工と床鳴りの補修に伺いました。
大工には床下に潜ってもらい、私は床を踏んで床を鳴らしながら床鳴り箇所を特定しました。
大工曰く、根太と床材の接着が緩くなっているようでした。木材は数年かけて膨張・収縮を繰り返すため、それが原因で床材の接着ボンドが剥がれている箇所があったそうです。
改めて床下から補修をしてもらい、床鳴りは解消されました。
訪問から完了までの時間は30分も掛かっていません。
新築から数年は床鳴りが発生しやすい
湿度が高い夏や乾燥しやすい冬は、床材が膨張・収縮しやすいため、季節ごとに床鳴りが発生することが多くあります。
自然素材を使った建築では、木材も呼吸をしており収縮や膨張を繰り返し家を安定させていきます。これにより床鳴りが発生している場合がほとんどです。
現場によっては、冬は床鳴りがしていたのに、春になったら鳴らなくなったということもあります。
【まとめ】新築3年目での床鳴りは一度点検に来てもらいましょう
床鳴りは、新築から3年ほど経過した住宅でもよく見られる現象です。
多くの場合、木材の自然な収縮や膨張によるものですが、音が大きい場合や長期間続く場合は、施工不良や構造の問題が原因である可能性もあります。気になる場合は、無理に対処せず、まずは業者に相談し、原因を確認することで、より安心して住まいを維持することができます。
- 床がきしむのは新築1〜3年でよく見られる
- 木材の乾燥収縮が床鳴りの主な原因となる
- 季節ごとの湿度や温度変化が床鳴りに影響する
- 下地材や構造材のズレが床鳴りを引き起こすことがある
- 築2年ほどの床鳴りは木材の慣れによる自然現象が多い
- 床鳴りは一般的に数年で落ち着くことが多い
- 自然木材の家は収縮や膨張を繰り返し安定していく
- 「ギーギー」という音は床材の擦れが原因と考えられる
- 床鳴りの保証は、一般的に引き渡し後2年程度が目安
- 新築マンションでも床鳴りは発生することがある
- 二重床構造のマンションは特に床鳴りしやすい
- 床鳴り防止剤で摩擦を軽減できる場合がある
- 隙間の調整やクサビの挿入で床鳴りが改善することもある
- 床鳴りがひどい場合は専門業者による点検が推奨される
- 木材の乾燥や湿度管理が床鳴りの予防に効果的