一年以上売れない土地の所有者
「土地を売りに出して一年以上経っているけど、まったく売れそうにない・・・どうしたらいいの?」
土地が一年売れない状況に悩んでいる人は少なくありません。
一年以上売れない土地には何頭の原因があります。需要が少ないない地域や、買主が不利となる条件である場合など理由はさまざまです。
いつまで経っても土地が売れないと、固定資産税の支払いや管理の手間が増えるだけでなく、近隣に迷惑を掛けるリスクも伴います。
一年経っても売れない土地はその原因を明確にし、適切な対策を取ることが重要です。時には条件が悪かったとしても欲を出さずに売却する覚悟も必要です。
この記事では、土地が一年以上売れずに悩んでいる方に向けて、土地が売れ残る主な原因や対策法、売却のポイントを、宅建士をしている私が詳しく解説します。
売却が長引く理由を理解し、今すぐ取れる具体的な改善策を知ることで、土地売却の成功に近づきましょう。
この記事のポイント
- 土地が一年売れない主な原因とその背景
- 売れ残り土地の管理リスクや所有負担
- 一年以上売れない土地の売り方!対策と改善方法
- 売れない土地を売るために検討すべき販売戦略と覚悟
土地が一年経っても売れない理由8項目
土地が一年売れない場合には、何頭の原因が考えられます。以下の点で原因を解説します。
- 一年以上売れない土地の原因
- そもそも需要がない地域
- 販売金額が高い
- 土地の形状が悪い
- 買主に不利な条件となっている
- 災害地域に指定されている
- 不動産会社が広告していない
- 草木などが生茂って見栄えが悪い
一年以上売れない土地の原因
一年以上売れない土地には、いくつかの原因が考えられます。
まず、立地条件が市場のニーズと合っていないケースが挙げられます。例えば、交通の便が悪い、商業施設や学校などの周辺環境が整っていないと、購入者にとって魅力が乏しいと感じられることがあります。また、土地の広さや形状が特殊であったり、法的な制約がある場合も、購入を躊躇させる要因となり得ます。これらの問題が重なると、購入希望者の目に止まらず、売れない状態が続くのです。
次に、販売戦略や広告の打ち方が不十分なことも原因の一つです。土地の魅力を適切に伝えられていないと、いくら好条件でも購入希望者に知られる機会が減少します。そのため、効果的な広告や現地見学の機会を設けることが重要です。
理由は多岐にわたるため、原因を見極め、適切な対策を講じることが必要です!
そもそも需要がない地域
そもそも需要がない地域においては、土地が一年以上売れないことも珍しくありません。
需要がない地域とは、人口が減少しているエリアや、新たな開発計画が進んでいない地域を指します。このような地域では、住宅や商業施設の建設ニーズが少なく、土地に対する需要が低いため、売買の取引が活発になりにくいです。
さらに、周辺環境が将来性を感じられない場合も、購入者の興味を引きにくくなります。
過疎化が進んでいる地域や、生活インフラが未整備の場所では、土地を購入しても生活や事業の利便性が期待できません。
こうした地域の土地は買い手を見つけるのが難しいのです。このような場合、将来的な発展計画の情報を加味して販売活動を行うことが求められます。
販売金額が高い
土地の販売金額が市場価格よりも高すぎると、購入希望者に敬遠されてしまいます。不動産会社から金額を下げる提案を受けているのに断っていませんか?
売主が設定する価格は、自身の希望やコストを反映させたいと考えるため、高く設定されることがよくあります。しかし、周辺の相場と比較して大きく乖離している場合、購入者が魅力を感じず、結果として売れ残るリスクが高まります。
購入希望者は他に条件が同じでより安価な土地があれば、そちらを選ぶ傾向にあります。そのため、過剰に高い価格設定は、他の売り出し中の土地と比べて競争力を失わせます。
改めて土地の適正価格を把握し、市場動向に合った金額に修正することが必要です。
思い入れのある土地かもしれませんが、第三者から見ると価格が合っていない可能性が高いです
土地の形状が悪い
形状の悪い土地は、家を建てたるのに適していないことから売れにくくなります。
具体的には、細長い形や斜面が多い土地、道路からのアクセスが悪い土地などが該当します。このような形状の土地は、建築の際に設計の自由度が低くなるため、住宅を建てる際にコストや手間がかかってしまうのです。
また、土地の面積が広くても、有効に活用できる部分が限られてしまうことも問題となります。
さらに、特殊な形状の土地は建築の規制や法的な制約が厳しくなる場合もあります。
例えば、建ぺい率や容積率が他の土地と比較して低くなると、建築可能な建物の規模も制限されるため、購入希望者にとってはリスクと感じられることが多いです。
土地を売却する際には、形状の特徴を理解し、適切な使い道を提案できるようにすることが大切です。
買主に不利な条件となっている
土地の売買契約において、買主に不利な条件が含まれている場合も、売れ残る理由になります。
土地の使用に制限がある場合や、建物解体が必要であったり、隣接地との境界が不明確であったりするケースが考えられます。こうした条件があると、購入者は将来のトラブルや追加のコストを懸念し、購入を避ける傾向があります。
以下のようなケースは買主の不利な条件です。
- 古家を解体しなければならない
- 土地の改良をしなければならない
- 上下水道の引込をしなければならない
- 都市計画法の許可を受けなければならない
- 荷物や廃産物などが残っている
土地を購入した後に、買主にどのような負担が掛かるのかを知っておくことも重要
災害地域に指定されている
土地が災害地域に指定されている場合も懸念される方が多くなります。
災害地域とは、洪水や土砂災害、地震などの危険が高いとされるエリアを指します。
特に近年では、気候変動による異常気象が頻発しているため、自然災害への関心が高まり、購入希望者がリスクを考慮することが増えています。このため、災害地域に指定されている土地は、たとえ価格が安くても購入を躊躇されるケースが少なくありません。
また、災害地域に指定されている土地では、建築基準が厳格になっていることもあり、建設に追加のコストが発生することがあります。
特に、耐震基準や洪水対策などに関連する工事費用が増加しやすい点は、買主にとって大きな懸念材料です。そのため、災害地域に位置する土地を売却する際には、リスクを十分に理解し、購入希望者にリスク軽減策を提案できる準備が必要です。
ハザードマップ確認して土地が災害区域に指定されていないか確認しましょう
不動産会社が広告していない
不動産会社が十分に広告を行っていない場合、注目されず売れにくくなります。
広告は、売り物件を買主に知ってもらうための重要な手段です。不動産会社が積極的に宣伝活動を行わないと、潜在的な購入希望者の目に留まる機会が減少してしまいます。
広告を行わない背景には、不動産会社の優先順位が影響している場合があります。他の物件を優先して広告していたり、その土地の販売に力を入れていなかったりすることが考えられます。
土地の売却を考える際には、不動産会社の広告戦略について事前に確認し、適切な宣伝を依頼することが重要です。
ポータルサイトなどを見て自分の土地が広告されているのか確認しましょう
草木などが生茂って見栄えが悪い
草木などが生い茂って見栄えが悪いことも原因に挙げられます。
土地が未整備のままで放置されると、草木が成長し、景観が悪化してしまいます。これにより、購入希望者が土地のポテンシャルを感じにくくなるため、興味を持ってもらえない可能性が高くなります。
さらに、見栄えが悪い土地は、管理が行き届いていない印象を与えやすく、買主にとって「この土地を購入することで、今後も適切な管理が必要になる」といった不安を抱かせることがあります。
購入希望者に好印象を与えるためには、定期的な草刈りや清掃を行い、土地をきれいな状態に保つことが求められます。
悲惨な状態になっている物件を買おうという気にはなれません。
売れない土地の特徴とは?
- 需要が少ない立地
人口が少ない地域や交通アクセスが悪い場所では、土地の需要が低くなりがちです。 - 販売価格が高すぎる
市場価格よりも高い設定の場合、買主にとって魅力がなく、価格交渉が進みにくくなります。 - 土地の形状が悪い
細長い形や高低差がある土地は、建築の自由度が低く、購入者のニーズに合わないことがあります。 - 不利な契約条件
例えば、既存の権利関係や厳しい制限がかかっている土地は、買主にとってリスクが高く見られることがあります。 - 災害リスクが高い
洪水や地震などの災害リスクが高い地域では、購入者が敬遠する傾向にあります。 - 広告活動が不足している
不動産会社が十分に宣伝していないと、土地の存在を知られる機会が減り、売れ残ることがあります。 - 見栄えが悪い状態
草木が生い茂っているなど、管理が行き届いていないと印象が悪く、買主の興味を失う要因になります。
一年以上売れない土地を所有するリスク
売れない土地を持っていることでのリスクを考える必要があります。以下の点で解説します。
- 税金の支払いが必要
- 管理や近隣迷惑をかける恐れがある
- 価値が下がり続ける可能性がある
- 動物の住処となる
税金の支払いが必要
土地を所有し続けることにより、固定資産税などの税金を毎年支払う必要があります。
長期にわたり所有していると、その間も税金がかかり続けるため、経済的負担が大きくなることが考えられます。
特に、売れない土地ほど購入当初の予算計画には組み込まれていないため、予期せぬ出費として家計に影響を与える場合があります。
売却ができない状態が続くと、税負担が累積し、所有者にとってのデメリットが増大します。
税金を払い続けるなら、早めに売却する方向で考えましょう
管理や近隣迷惑をかける恐れがある
土地を長期間放置していると、雑草が生い茂ったりゴミが放置されたりして、近隣住民に迷惑をかけることがあります。
また、無断で不法投棄や不法侵入の対象となるリスクも考えられます。こうした事態は、土地の所有者がその責任を問われる可能性があり、管理の手間やトラブルへの対応が必要になることがあります。
長期間売却できない土地を持つことは、管理面でもリスクが伴います。
古家が残っている物件では、台風などで瓦や雨樋が飛んで、周辺の家に被害が出る可能性も・・・
価値が下がり続ける可能性がある
土地の価値は、時期や市場の変動に影響を受けます。
需要が減少したり周辺地域の発展が停滞した場合、時間が経つにつれて土地の価値が下がる可能性があります。
特に、一年以上売れない土地は市場からの評価が低いとみなされ、価格の引き下げを余儀なくされるケースが多いです。
また、時間の経過とともにインフラや建物の老朽化なども進み、さらなる価値の低下を引き起こす可能性があります。
売りに出した時と、数年経った今では物件の価値が下がっている可能性があります
動物の住処となる
放置された土地は、草木が繁茂し、動物たちの住処となる可能性があります。
特に、雑草や低木が成長しやすい土地では、小動物や昆虫が繁殖することが多く見られます。これは見た目の問題だけでなく、近隣の住民にとっても衛生や安全面でのトラブルを引き起こすリスクとなります。
場合によっては、野良猫や害獣といった問題動物が住み着くことで、被害を受けることもあります。このような状況が続くと、土地の管理が一層難しくなるだけでなく、近隣との関係にも悪影響を及ぼすことがあります。
イタチやハクビシンなどの住処になったり、大きなハチの巣ができると、周辺の方にも迷惑がかかります。
土地が売れないとどうなる?
- 固定資産税の支払いが継続:所有している限り毎年税金がかかるため、経済的負担が増える。
- 管理負担の増加:草木の手入れやゴミの処理など、土地を適切に維持するための手間がかかる。
- 近隣住民とのトラブルリスク:放置された土地が衛生面や安全面で近隣に悪影響を与える可能性がある。
- 価値の下落:土地が売れない期間が長くなると、需要が減り価格が下がる可能性が高まる。
- 害獣や不法投棄の発生:長期間放置された土地は、不法投棄や動物の住処となりやすく、管理が難しくなる。
一年以上売れない土地を売るためにやるべき対策法
一年以上売れない土地を売るためにやるべきことは以下の点です。
- 販売価格を見直す
- 不動産会社に喝をいれる (再度販売依頼をする)
- 草刈り伐採など見た目をキレイにする
- ジモティーを使いで自身でも募集する
- 買主の不利となることを解決する
- 売れない土地を国に返すことは可能?
- 不動産会社の選び方で売却成功率を上げる
- 不動産会社に買取を打診する
- 空き家バンクに登録する
販売価格を見直す
どのような土地でも一番効果のある方法です。
一年以上売れない土地の主な原因の一つは、販売価格が市場の実勢価格と乖離していることです。
土地は需要と供給のバランスで価値が決まるため、希望価格が現実の市場価格よりも高すぎる場合、購入希望者が現れません。
所有者としては高く売りたいという気持ちがあり、価値のある物に思えますが、第三者としてはそうではない場合が多いです。
このような場合は、不動産会社の担当者に相談して担当者の率直な意見を聞きましょう。担当者はほぼ毎日不動産をみており、現状の不動産の取引状況や、周辺の土地の動きなど把握しており、素人よりも価格について詳しくなっています。
金額を下げる提案を断ってばかりいませんか?落ち着いて考えなおしてください。
市場の動向や近隣の類似物件の価格を参考に担当者と相談して、購入者にとって魅力的な価格に設定し直すことで、売却のチャンスが増えるでしょう。
一年以上売れないのであれば、改めて勝負をかけた金額で販売を行いましょう!
不動産会社の選び方で売却成功率を上げる
土地が一年以上売れない場合、不動産会社の選び方が成功へのカギとなります。それぞれに得意な地域や物件のタイプが異なるため、自分の土地に合った会社を選ぶことが大切です。
不動産会社探しには、一括査定サイトを利用することをオススメします。
わざわざ不動産会社廻りをする必要はなく、スマホで物件情報を入力するだけで、複数の不動産会社から適正価格などのアドバイスを受けることが可能です。
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また、依頼する際は、現状すでに一年以上売れていないことを必ず伝えましょう。
色んな不動産会社の意見を聞ける、査定サイトの利用は本当に便利です。
不動産会社に喝をいれる (再度販売依頼をする)
不動産会社との関係が不十分だと、売却活動が十分に行われないことがあります。
土地の売却が長引いている場合は、担当の不動産会社に再度詳細な相談を行い、売却戦略を見直すことが有効です。
不動産流通機構(レインズ)の登録は切らさずに
不動産流通機構(レインズ)とは、不動産会社が全国の物件を確認できるネットワークです。これに登録されていると、売却を依頼している不動産会社以外でも物件の情報が確認でき、土地の買主に紹介することが可能です。
不動産流通機構(レインズ)の登録は切らさずに継続してもらうことが最低限必要です。
不動産流通機構は登録から3ヶ月で自動で削除され、不動産会社が更新をしなければ消えたままになります。
不動産会社には不動産流通機構(レインズ)の更新を行っているか確認しましょう。
インターネット広告が強力
新聞に入っている折り込みチラシより、インターネットでの広告が強力です。
最低限以下のポータルサイトのどれかに登録はしてもらうようにしましょう。
今の時代、紙のチラシよりインターネットでの広告の方が圧倒的に反響があります。
建築プランの提案
土地に適した建物の図面や建築プランを提案することも一つの方法です。
購入希望者に対して「この土地にどのような家を建てられるか」という具体的なイメージを提供することで、購買意欲を引き出すことができます。
不動産会社との連携を密にし、土地の魅力を最大限にアピールしましょう。
囲い込みには注意
不動産会社の「囲い込み」とは、売主から売却依頼を受けた不動産会社が、他社に物件の情報を公開せず買主の紹介を制限する行為です。
これにより、物件情報が広く流通せず、買主候補が不動産会社の自社顧客だけに絞られ、依頼を受けた会社が仲介手数料を売主と買主の両方から「両手仲介」として受け取れる可能性が高くなります。
囲い込みを行うと、他社に物件の情報が伝わらず、物件を欲しがっているお客様がいるのに逃してしまう原因になります。
不動産会社が囲い込みをしていないか確認しましょう。
草刈り伐採など見た目をキレイにする
土地の見た目が悪いと、購入希望者の印象が大きく下がります。
特に、雑草が生い茂ったりゴミが散乱していたりする土地は、手入れが行き届いていないと感じられ、敬遠されることが多いです。
上の図のように、草刈りや伐採を行い土地の見た目を整えることで、購入者に「ここを購入したい」という好印象を与えることができます。
また、整備された土地は周囲の環境とも調和しやすく、近隣住民からの評価も上がるでしょう。見た目の改善は、売却活動の一環として重要なステップです。
見た目をキレイにしたら、必ずキレイになった状態の写真で不動産会社に広告してもらうようにしましょう。
ジモティーを使いで自身でも募集する
土地の売却が長引いている場合、自分でも購入希望者が探せるプラットフォーム「ジモティー」を利用するのも一つの手です。
ジモティーは、地域に密着した売買や取引が特徴で、地元の購入希望者に対して直接アプローチできる利点があります。
土地の詳細な情報を掲載し、直接交渉の場を持つことで、柔軟な価格設定や条件交渉が可能となり、従来の方法では見つからなかった購入者を見つけるチャンスが増えるでしょう。
興味のある人が現れたら不動産会社に任せましょう
買主の不利となることを解決する
土地が売れない理由として、買主にとって不利な条件がある場合、それを解決することが必要です。
例えば、土地の境界が曖昧である、道路への接道義務を満たしていない、上下水道の引き込みがないなど、購入後に手間や費用が発生するような条件があると、買主の関心が薄れてしまいます。
こうした問題を事前に解決し、購入者にとって「安心して購入できる土地」であることを証明することで、売却の可能性が高まります。
必要であれば、不動産会社の担当者とも相談してインフラ整備を行うことも考慮しましょう。
売れない土地を国に返すことは可能?
売れない土地を国に返すことを考える人もいますが、結論から言えば、国に土地を無償で返還するのは非常に難しいです。
法律上、土地の所有者は固定資産税を支払い、管理責任を負うことが義務付けられています。そのため、国や自治体に土地を返すことが一般的には認められていません。ただし、特別な状況で行政機関が買い上げたり、公共事業での利用が見込まれる場合など、一部例外的なケースも存在します。どうしても管理が難しい場合や売却が長期間にわたり不可能な場合は、弁護士や行政書士に相談し、最適な解決策を模索することが大切です。
利用価値の少ない土地は、国や自治体も譲り受けてはくれない・・・
不動産会社に買取を打診する
土地が長期間売れない場合、不動産会社に買取を打診する方法もあります。
不動産会社は、自社で土地を買取り、その後の転売を目指すことがあり、この方法を利用すれば現金化が早く進む可能性があります。
ただし、一年以上売れない土地の場合、地域的にも買取は不可としている不動産会社もあるかもしれませんし、買取価格は市場で売却する場合よりも低くなる傾向があるため、あらかじめ査定価格を確認し、納得できるかを検討することが必要です。
不動産会社も買い取った後に再販しなければならないので、その価値があるかどうかが重要
空き家バンクに登録する
空き家バンクに登録することも有効な手段の一つです。
空き家バンクとは、自治体が運営する不動産情報の公開システムで、地域にある空き家や未使用の土地を紹介する仕組みです。通常、不動産会社がカバーできない地域密着型の情報提供を行っており、地域活性化や移住促進を目的としています。
- 地域密着型の購入希望者にアプローチできる
空き家バンクは自治体が運営しているため、地域に根付いた移住希望者や第二の住まいを探している人に土地情報を届けやすいです。地元に興味のある購入希望者と出会える可能性が高まります。 - 手数料が低い、または無料で登録可能
通常の不動産取引では仲介手数料がかかりますが、空き家バンクでは自治体の運営のため、手数料が非常に低いか、無料で利用できる場合が多く、コストを抑えられます。 - 自治体のサポートで安心感がある
自治体が関与しているため、売却手続きや購入者との交渉など、安心して進められるサポートが期待できます。自治体の信頼感を活かした取引が可能です。 - 登録の手続きが比較的簡単
空き家バンクの登録は難しい手続きが必要なく、多くの自治体で比較的簡単に申請ができるため、手軽に始められます。インターネットでの登録が可能な自治体も多く、負担が少ないです。 - 地域活性化や社会貢献にも繋がる
空き家バンクに登録することで、地域の活性化や移住支援の一助となり、社会貢献にも繋がります。売却が成功すれば、結果として地域の人口増加や活性化にも貢献できます。
このように、土地が長期間売れない場合は空き家バンクを活用することを検討してみてください。地域の移住者や特定のニーズを持つ購入希望者との出会いが、売却のチャンスを広げることに繋がるでしょう。
一年以上売れない土地を所有する覚悟と売却のアドバイス
売れない土地の売却について様々な視点で以下の点を解説していきます。
- 一年以上売れない土地の値引きは必要?
- 購入希望の申し込みが入ったら、条件が悪くても受け入れる
- 最悪の場合プラスマイナス0円で売却する
- 一般的に土地の売れ残り期間はどれくらいですか?
- 一般的に土地を売るのにどれくらいの期間がかかりますか?
- 他に売れない土地を手放す方法はありますか?
- 一年以上売れない土地は今後5年10年売れない可能性はあるか?
- いつかは売れる可能性を信じて待つ
- 売却をスムーズに進めるためのステップ
一年以上売れない土地の値引きは必要?
土地が一年以上売れない場合、値引きの検討が必要です。売れ行きの悪い土地は適切な価格に調整することで、売却のチャンスが増える可能性があります。
上の図のように、値引してもいいと思っているのに、販売価格を下げようとしないのはNGです。
例えば、3500万円で売に出している物件を、3000万円まで値引きしてもいい。と考えているのに、販売価格を3500万円のままにしておくと、3000万円の予算で購入を検討している人の興味から外れ、問い合わせを受ける確率が下がります。
一年以上売れないのであれば、欲を出さずに積極的に金額を下げる考えは重要です。
購入希望の申し込みが入ったら、条件が悪くても受け入れる
一年以上売れない土地に、購入の申込が入った場合、多少条件が悪くても売却しておくべきです。
私が担当した土地の売却にこんなことがありました。
過疎化が進み、需要のかなり少ない地域の土地を売却すことになり「350万円」にて販売を開始しました。 広告をしていましたが、本当に需要が少ない場所なので、問い合わせは無く、販売開始から半年が経ちました。 所有者様と相談して改めて金額を「280万円」にして販売を行いました。 その後、半年間、広告を続けるも問い合わせはなく改めて「250万円」に変更して売りに出しました。 そこから1年近く経ち、ついに購入希望者が現れました、購入希望金額は「150万円」でした。 所有者様と相談しました、私としては、この購入者を逃すと次いつ問い合わせがくるか分からないと考えたので、売却した方がいいとお伝えしましたが「200万円」以下では売りたくない。とのご意向でした。 購入希望者も「150万円」以上は出せない。とのことでこの話は破談となりました。 そこから1週間後、改めて所有者様から連絡があり、考えを改めて「150万円」で売却してもいい。とお返事をもらいました。 しかし、購入希望者はすでに別の物件の購入で手続きを進めており売却はできませんでした。 この物件は現在も売りに出していますが、現状3年近く売れていません。
という事もあるので、購入希望者が現れたら、多少条件が悪かったとしても売却した方がよいと考えます。
あの時、欲を出さずに売却しておけばよかった。とならないことを祈ります。
最悪の場合プラスマイナス0円で売却する
土地が長期間売れない場合、最終的にはプラスマイナス0円で売る覚悟も必要です。
プラスマイナス0円とは、利益も求めずに、売却金額から諸経費関係を差し引いて、手元に残る金額を僅かにするということです。
例えば、売却金額が「25万円」場合、売却にかかる経費として、仲介手数料19.8万円(低廉物件の特例)、売渡用(司法書士)3万円が必要なら
販売金額25万円 - 手数料19.8万円 - 売渡し費用3万円 = 手元に残る金額2.2万円
と言ったイメージです。
土地の条件により、建物解体費用であったり、土地測量費用などが必要な場合は、その必要金額から逆算して、マイナスにならない金額で売る。という覚悟も必要になると考えた方がいいです。
一年以上売れないのであれば利益を期待するのではなく、不要なコストを抑えるために早期に売却することが重要です。
一般的に土地の売れ残り期間はどれくらいですか?
土地が市場に出てから売れ残る期間は、一般的に3ヶ月から一年程度が目安とされています。
しかし、地域の需要や土地の状態、価格設定によってはこれを大きく超えることもあります。特に人口減少が進んでいる地域や、アクセスが悪い場所では売れ残る期間が1年を超えるケースも少なくありません。
また、土地の形状や利用用途が限られる場合も、売却までの期間が長引くことがあります。このため、売れ残り期間が長くなる前に、対策を講じることが必要です。
一般的に土地を売るのにどれくらいの期間がかかりますか?
土地を売却する際の期間は、一般的に売却開始から契約成立まで3ヶ月から一年程度がかかるとされています。
これはあくまで目安であり、実際の期間は多くの要因によって左右されます。
例えば、都市部の需要が高いエリアでは早く売却が進む傾向がありますが、過疎地域や条件が悪い土地では1年以上かかることもあります。
また、販売価格が高すぎる場合や土地に問題がある場合は、売却までの時間が長引くことがあります。売却期間を短縮するためには、適切な価格設定と、土地の状態を整えることが重要です。
他に売れない土地を手放す方法はありますか?
売れない土地を手放す方法としては、売却以外にもいくつかの選択肢があります。
例えば、自治体に寄付するという手段がありますが、これは土地の状態や自治体の受け入れ条件によって異なります。
また、NPO法人などに寄付するケースも考えられますが、受け入れが難しい場合もあります。
さらに、賃貸物件として活用し、収益化する方法もあります。土地の用途に応じて、駐車場や太陽光発電などの利用方法を検討することが重要です。
売却が難しいと感じたら、他の活用方法も視野に入れて検討することが賢明です。
更地であれば、売却までに賃貸駐車場として利用できなか検討してみてください。
一年以上売れない土地は今後5年10年売れない可能性はあるか?
一年以上売れない土地は何も条件を変えないと、今後5年、10年にわたって売れない可能性が十分にあります。
売却が長期化する理由には、さまざまな要因が考えられ今後も売れ残るリスクが高いと言えます。反応が無い場合は、価格を下げたり、条件をよくしたりして状況を掛けるようにしましょう。
購入希望者が現れた場合は逃さないようにし、売却戦略を見直し、適切な価格設定や土地の整備、信頼できる不動産会社の選定を検討することが、売却成功に繋がります。
いつかは売れる可能性を信じて待つ
過疎地など需要の少ない土地や、見た目がとても悪い土地でも、長期期間販売を続けていると、ふとした時にコロッと購入希望者が現れることがあります。
私も約10年以上不動産会社で務めていますが、数年売れず難しいと感じる物件でも、絶えずネット広告を続けていると、突然購入希望者があらわれることを何度も経験しています。
長期戦を覚悟して諦めずに、販売条件なども定期的に見直しを行い広告を続けて待つことも重要です。
売却をスムーズに進めるためのステップ
- 販売価格の再評価
現在の販売価格を再検討し、市場の動向や競合の状況を考慮して価格を見直します。価格が高すぎる場合、購入希望者が興味を持ちにくいため、適正な価格設定が重要です。 - 不動産会社の見直し
依頼している不動産会社の販売戦略や広告活動が適切か再確認します。必要であれば、実績のある別の不動産会社に依頼することも選択肢です。 - 物件の魅力を向上させる
草木の整備や簡単な清掃を行い、土地の見た目を良くします。見栄えが悪いと購入希望者に悪い印象を与えるため、整備は重要です。 - 購入者の条件を緩和する
購入者の負担となる条件がある場合は、見直しや撤廃を検討します。例えば、建築条件を外すなど、購入者にとってメリットを増やす方法です。 - ターゲット層に直接アプローチする
インターネットの掲示板や地域の情報誌を活用し、ジモティーなどで直接購入希望者を募集する方法もあります。地域に根ざした情報発信が効果的です。 - 買取相談を行う
不動産会社に土地の買取を打診し、現金化を早める選択肢もあります。買取価格は市場価格より低くなりますが、早期売却を実現できます。 - 税務・法的リスクの確認
売却が長期化することで税金や管理に関する負担が増えるため、税務相談や法的リスクの確認を専門家に依頼し、適切な手続きを進めます。
【まとめ】一年以上売れない土地は欲を出さずに積極的に売却をしましょう
いつまで経っても土地が売れないと、固定資産税の支払いや管理の手間が増えるだけでなく、土地の価値が下がるリスクも伴います。
一年経っても売れない土地はその原因を明確にし、適切な対策を取ることが重要です。時には条件が悪かったとしても欲を出さずに売却する覚悟も必要です。
過疎地や需要の少ない土地でも、長期戦を覚悟して諦めずに広告をしていれば、ふとした時にコロッと購入希望者が現れることもあるので、根気よく続けることが大切です。
- 売れない土地は立地条件が市場ニーズに合わないことが多い
- 売れない土地は販売価格が市場相場より高いため敬遠されがち
- 土地の形状が特殊で建築の自由度が低い土地は売れにくい
- 買主にとって不利な契約条件が含まれている土地は敬遠される
- 災害リスクのある地域に位置していると土地は売れにくい
- 不動産会社による広告や宣伝が不足していると売れない
- 見栄えが悪く購入希望者に悪印象を与えると良くない
- 売れない土地は固定資産税の支払いが続き経済的負担となる
- 売れない土地は放置により雑草やゴミが近隣迷惑を引き起こす
- 空き家バンクに登録し地域密着の売却を目指す
- ジモティーを活用し自分でも購入者を探してみる
- 欲を出さずに売却することも大切
- 需要の少ない土地でもあきらめなければ急に希望者が現れる
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