不動産の値引き交渉の言い方に悩む人
「購入したい不動産がもう少し安くなればなぁ・・なんて言えばいいの?」
「住みたい賃貸物件が見つかったけど、家賃が高いなぁ・・・値段下がらないかなぁ」
不動産の購入や賃貸契約を検討する際、少しでも費用を抑えたいと考えるのは当然のことです。
しかし、実際に不動産の値引き交渉では、どのような言い方をすればいいのか分からず、交渉をためらってしまう方も多いのではないでしょうか。
値引きできるかどうかは、売主・オーナーの事情や考えが物件ごとに異なるため、やってみなければ分かりません。
どの物件でも共通して言えることは「交渉はやらないよりやるべき」です。
とは言え、どんな言い方で値引き交渉をすればいいのか分からないという方が多いと思いますので、この記事では不動産の値引き交渉に役立つ具体的な方法や例文を解説します。
「売買物件編」では、新築や中古戸建の値引きポイントやタイミングに焦点を当て、「賃貸物件編」では家賃交渉の注意点や成功のコツをご紹介します。
それぞれのシーンで使える実践的なフレーズや、ヒントも取り上げています。
これから不動産の契約を進める方にとって、役立つ情報が詰まった内容です。
ぜひ最後までお読みいただき、理想的な条件を引き出すための参考にしてください。
この記事のポイント
- 不動産の値引き交渉で有効な言い方やフレーズを理解できる
- 交渉のタイミングとその重要性について知ることができる
- 新築と中古物件、土地、賃貸物件での交渉の違いを把握できる
- 交渉を成功させるための注意点やポイントを学べる
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【売買物件編】不動産の値引き交渉の言い方を押さえた交渉術
不動産の購入をしようと考えている方に向けて、値引きについての考えや、言い方の例を以下の内容で説明します。
- どこまで価格交渉してもいいですか?
- 売主は値引きを考慮して値段を決めている場合がある
- まったく値引きできない場合の原因例
- 値下げの丁寧な言い方は?
- 新築の値切り交渉のタイミングは?
- 中古戸建で値引きを引き出すポイント
- 【例文】中古戸建で値引きの言い方
- 土地の値引きは可能なのか?そのポイント
- 【例文】土地の値引きの言い方
- 新築と中古での交渉アプローチの違い
どこまで価格交渉してもいいですか?
価格交渉の限度は、物件や交渉相手の状況によって異なります。売主も利益を確保する必要があり、どこまで交渉できるかを事前にリサーチすることが重要です。
まず、頭に入れておいてほしいことは、値引交渉をしたからと言って必ず値引きしてもらえるとは限りません。あっさり希望の金額まで下げてもらえる場合もあれば、まったく値下げできない場合もあります。
しかし、相談してみなければ分かりませんので、相談だけはやるべきです。
交渉する場合は相手の立場も尊重することが大切です。強引な値引き要求は、関係を悪化させる可能性があります。
例えば「500万円値引きしたい」場合、5000万円の物件から500万円の値引きであれば、1割の値引きなので場合によっては可能性はありますが、1000万円の物件から500万円値引では半額になってしまい。売主も良い気はしないと思います。
交渉する場合の、狙い目の金額は、「10段階であれば5~7ぐらい」「5が丁度いい数字であれば、それより若干多め」のイメージの金額です。
下記の数字は地域により相場観が異なるので、あくまで参考ですが、
2580万円の物件の場合
- 「80万円引き」は、恐らく可能と考えやすく「2~4」のレベル
- 「100万円引き」であれば、丁度いいのでイケるかもしれないけど、場合によっては無理?の感覚なので「5」のレベル
- 「150万円引き」は、ちょっと多いかも?と思える感覚で、これが狙い目の「6~7」のレベルです。
「5~7」で交渉したとしても「5」で落ち着く可能性が高いですが「7」で交渉が成立すればラッキーのイメージです。
不動産会社を通じた交渉の場合、仲介担当者の意見も参考にすることで、現実的な範囲を見極められます。
売主は値引きを考慮して値段を決めている場合がある
売主が販売価格を決める際に、あらかじめ値引きを考慮した金額で販売金額を決めている場合があります。
例えば、3080万円という物件の場合、高確率で80万円の値引きができる可能性が高くなっています。
端数の部分は予め値引きしてもいい金額として設定している可能性が高いと考えられます。
近年購入する側は値段交渉するのが通例になっているので、売主側もそれを見越して値段設定をしていることが多い。
まったく値引きできない場合の原因例
物件により、まったく値引きできない場合もあります。その原因は主に以下が考えられます。
- 売主がすでに市場価格に近い金額で物件を設定している
- 物件が人気エリアにあり需要が高く値引きの余地がない
- 売主が資金的に余裕があり、値引きを急ぐ必要がない
- 新築物件で一律価格が設定されているため柔軟性がない
- 売主が物件の価値を非常に高く評価しており譲歩する意向がない
- 仲介業者が売主の意向を優先し値引き交渉に消極的である
- 売りに出してから3ヶ月も満たない場合
- 他にも購入の申し込みが入りそうな状況である
- 物件の状態が良好で、修繕や改善の必要がなく値引きの理由が提示できない
- 市場動向が売手市場であり、売主が優位な状況にある
- 売主の住宅ローンが残っており、値引きするとローンが返済できなくなる
上記に当てはまりそうな場合でも、交渉はやってみるべきではあります。
値下げの丁寧な言い方は?
不動産会社が仲介に入っている場合は、値下げ交渉をするのは不動産会社の担当者となります。売主に向かって直接するのではないので注意です。
しかし交渉の際に、不動産の買付確約書などの申込書に記載をするのであれば、値引きに関する想いを一緒に記入することで、不動産会社が仲介に入っていたとしても、考えを正確に伝えることができるので有効です。
値下げ交渉を行う際は、相手に不快感を与えないように丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。第一印象はその後の話し合いに大きな影響を与えるため、適切なフレーズを選びましょう。
例えば「とても素敵な物件で気に入っています。ただ、予算の都合で少し調整いただけると助かります」と伝えると、相手も前向きに対応しやすくなります。
また「失礼を承知でお願い申し上げますが」といった前置きを入れることで、相手の心理的な負担を軽減できます。
さらに、価格交渉を進める際には「この金額で契約できればぜひ前向きに進めたいと考えています」と具体的な意思を伝えることも重要です。具体的な希望額を提示する際も、「こちらの金額を検討いただけると大変ありがたいです」と、柔らかな表現を使いましょう。
一方的な要望だけでなく「もし条件に合わなければ、他の部分で調整いただけると幸いです」と代替案を提示することも、円滑な交渉に繋がります。
礼儀正しい態度と具体的な提案が、丁寧な言い方のポイントです。
新築の値切り交渉のタイミングは?
新築物件の値切り交渉において、タイミングは非常に重要です。
一般的に、販売開始直後や人気物件の初期段階では、値引き交渉は難しいことが多いです。
一方で、建売住宅などの販売が長引き、在庫が増えてきた段階では交渉の余地が広がります。
具体的には、年末や年度末など、不動産会社が売上目標を意識する時期は狙い目です。この時期は、販売会社が在庫を減らすためや、数字を上げるために値引きに柔軟になる可能性が高いです。
また、販売開始から数カ月~1年が経過した物件も注目ポイントです。特に、モデルルームとして使用されていた物件や契約がキャンセルされた物件は、価格調整がしやすい傾向があります。
ただし、新築物件は人気が高い場合もあるため、交渉のタイミングを逃さないよう、市場動向や販売状況をしっかりと確認することが成功のカギとなります。
【例文】新築物件で値引き交渉する場合の言い方
新築物件の場合、売主の業者に直接交渉する場合もあるので、それを考慮した以下の例文を参考にしてください。
価格調整を希望する場合
「この新築物件を非常に気に入っております。ただ、予算的に少し難しい部分があります。今後も生活レベルを下げず、毎月●●円以内の返済に収めたいと考えています。もし価格を少しご調整いただけるようであれば、即決で購入を検討したいと思っています。この点についてご相談させていただけないでしょうか」
付帯設備の交渉をする場合
「こちらの新築物件に強く惹かれていますが、エアコンやカーテンレールの設置費用が追加になると予算を超えてしまう可能性があります。これらを含む形でお見積りいただければ、購入に向けて迅速に決断できる状況です。この件をご検討いただけますでしょうか」
キャンペーンを理由に交渉する場合
「現在、貴社で他のキャンペーン内容を拝見し、非常に魅力的だと感じました。この物件についても同様の条件でご対応いただけるかどうか、お伺いしたく思います。条件が整えば早急に契約を進めさせていただく意思がございますので、ぜひご検討ください」
様々な言い方を駆使し丁寧に値段交渉をする場合
この物件は私たち家族にとって理想的で、大変気に入っております。間取りや立地条件はもちろん、細部まで行き届いた設計に感銘を受けており、ぜひとも新しい生活のスタートをこちらで迎えたいと考えております。 しかしながら、現在の私たちの予算を考慮した際、他の新築物件と比較すると、少しだけ厳しい部分がございます。特に、エアコンやカーテンレールの設置といった付帯設備の追加費用を含めた場合、総予算を超える可能性が高まってしまいます。そのため、大変恐縮ではございますが、価格の一部ご調整や付帯設備を含む形でのご提案をいただけると、大変ありがたく存じます。 また、今後も生活の質を維持しながら、無理のない返済計画を立てたいと考えております。具体的には、毎月●●円以内の返済額に収めることを目標としております。この条件が可能となれば、即決で購入を進めたいと考えておりますので、ご検討いただけないでしょうか。 なお、私たちは貴社とのお取引をこれを機に長く続けていきたいと考えております。アフターサポートや今後の住まいの相談など、末永くお付き合いをさせていただきたいと存じております。そのためにも、今回のご相談が双方にとって良い結果となるよう、誠実に対応させていただきます。 お忙しい中大変恐縮ですが、何卒前向きにご検討いただけますようお願い申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
これらの例文は、相手への配慮を重視しながら、具体的な希望を明確に伝える内容となっています。信頼関係を保ちながら交渉を進める姿勢を示すことがポイントです。
新築物件の場合、できるだけ仲介業者を挟むではなく、売主業者に直接購入の申し込みをするのが望ましいです。
中古物件で値引きを引き出すポイント
中古戸建の値引き交渉を成功させるためには、戦略的なアプローチが必要です。
特に、相場や物件の状況を事前にリサーチすることが効果的です。
地域の市場相場を把握しましょう。近隣の類似物件の販売価格や過去の売買履歴を確認することで、適切な値引き額を提案しやすくなります。また、物件が市場にどれだけ長期間掲載されているかを調べることも重要です。
掲載期間が長い物件は、売主が値引きに応じやすい可能性が高いです。
次に、物件の状態を詳しく確認することがポイントです。リフォームが必要な箇所や老朽化している部分があれば、それを理由に値引き交渉を提案できます。
「この部分の修繕費を考慮して、価格調整をご検討いただけないでしょうか」と具体的に依頼することで、説得力が増します。
リフォーム金額を把握してから交渉すると説得力も増し、今後進めるうえでも安心です。
【例文】中古物件で値引きの言い方
値引き交渉を行う際には、値引きしたい金額を明確にして、具体的で丁寧な言い回しを使うことが大切です。以下に例文を5つご紹介します。
物件の状態に基づく交渉の場合
「とても魅力的な物件だと思っており、リフォームをして住みたいと考えております。浴室交換●●円・壁紙交換●●円必要で、予定している予算から●●円オーバーしてしてしまいます。誠に勝ってなお願いで申し訳御座いませんが、●●円の値引きをお願いできませんでしょうか?」
市場相場を基に提案する場合
「こちらの物件と近隣の物件のどちらかで購入を迷っています。近隣の●●物件は●●㎡で●●円で、築年数や建物の状況なども変わりない状況ですが、●●円安く設定されております。こちらの物件の方が気に入っており、前向きに検討したいと思っています。●●円まで値引きして頂けませんでしょうか?」
売主の事情に寄り添う提案の場合
「売却を急がれているとのお話を伺いました。●●円にして頂けたらすぐに購入手続きを進める意思がございますので、ご検討頂けませんでしょうか?」
契約不適合責任を負わない場合
「物件に複数の、不具合があるように見受けられますが、取引後の不適合責任は負わなくて結構ですので、●●円まで値引きして頂くことは可能でしょうか?」
すべての例を組み合わせて最も丁寧にした場合
「この物件を非常に魅力的に感じております。リフォームを検討しており、浴室交換に●●円、壁紙交換に●●円の費用が必要で、予算から●●円オーバーしてしまいます。また、近隣の類似物件では●●㎡で●●円と設定されており、こちらと比較すると若干割高な印象もございます。 売却を急がれていると伺いましたが、もし●●円にしていただけるようであれば、すぐに購入手続きを進める意思があります。さらに、物件にいくつか不具合があるようですが、契約後の不適合責任を負わない条件で構いませんので、その点も価格に反映いただけますと助かります。 誠に勝手なお願いで申し訳ありませんが、これまでご家族が大切にされてきたこの家の素晴らしさを十分に理解しております。私たちは、この家を大切に住み続けるつもりであり、これからも丁寧に管理し、愛着を持って暮らしていきたいと考えております。 このような素敵な物件に住む機会をいただけること自体、私たちにとって非常に嬉しく思っております。その気持ちを込めてのお願いではございますが、●●円の値引きについてご検討いただけないでしょうか。大変恐縮ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。」
これらの言い回しは、相手の立場を尊重しつつ、具体的な要望を伝えるために役立ちます。
特に「検討」「ご相談」といった柔らかな表現を使うことで、相手が前向きに対応しやすくなります。
中古物件の場合、今後も大事に家を使っていく旨を伝えることで相手にも刺さりやすくなります。
土地の値引きは可能なのか?そのポイント
土地の値引き交渉が可能かどうかは売主の事情などにより異なり、成功させるためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
特に、交渉の根拠を明確にし、売主の事情を理解することが重要です。
土地の価格が高いと感じる場合、その理由を具体的に分析し事情を説明して売主の説得をしましょう。
例えば、「接道条件や地形」「周辺環境」「インフラ関係の工事が必要」「傾斜地で工事費がかさむ」など価値を左右する要素を確認します。欠点が見つかれば、それを交渉材料に使うことができ、具体的な理由を挙げると説得力が増します。
また、売主が早急に資金化を希望している場合や、土地が長期間売りに出されている場合は、値引き交渉に応じてもらえる可能性が高まります。
土地の値引きについては、こちらでも詳しく解説しています。
>>土地は値引き交渉可能なのか?上手に値引き交渉する方法【宅建士が解説】>>
【例文】土地の値引きの言い方
土地の値引き交渉を行う際には、丁寧で具体的な言い方を心がけると、相手の理解を得やすくなります。以下に、状況に応じた例文を3つご紹介します。
土地の特徴を理由に交渉する場合
「土地の購入を検討しております。土地の加工や、水道の引き込み費用などに、●●円必要となりまして、検討している予算から外れてしまいます。●●円の値引きして頂けませんでしょうか?」
市場価格に基づいて交渉する場合
「近隣の土地と比較して少し価格が高いように感じます。予算の関係もございますので、○○万円ほどの調整が可能であれば、ぜひ前向きに購入を進めたいと考えております。」
売主の事情に配慮しながら交渉する場合
「早期のご売却をご希望と伺いました。●●円にして頂けましたら、当方も迅速に契約を進めたいと考えておりますので、価格調整をご検討いただけますと幸いです。」
丁寧な言葉遣いとともに相手の立場を尊重する表現も取り入れましょう。。
新築と中古での交渉アプローチの違い
新築と中古物件では、値引き交渉のアプローチが大きく異なります。
新築は業者を相手にしている。中古物件は個人を相手にしている。が大きな違いになります。
- 新築物件の交渉アプローチ
新築物件では価格が固定されていることが多く、交渉余地は限られます。ただし以下のポイントを活用することで、条件改善が期待できます。- 在庫期間を確認する
長期間売れ残っている新築物件は、販売側が値引きに応じやすい傾向があります。 - 付帯条件を交渉する
家電や家具、エアコン設置費用の負担など、価格以外の条件で柔軟な交渉が可能です。 - キャンペーン時期を狙う
年末年始や新生活シーズンなどの特別キャンペーンを利用することで値引きのチャンスを得られます。
- 在庫期間を確認する
- 中古物件の交渉アプローチ
中古物件では値引き交渉の自由度が高い傾向があります。売主の事情や物件の状態を把握し、適切に交渉を進めましょう。- 売主の事情を把握する
早期売却を希望する売主は値引き交渉に応じやすいため、背景を確認することが重要です。 - 物件の欠点を指摘する
修繕が必要な箇所や古い設備を具体的に挙げ、それを根拠に値下げを提案します。 - 市場価格と比較する
同エリア・同条件の物件価格を提示し、価格調整を依頼するのが効果的です。
- 売主の事情を把握する
- 新築と中古で共通するポイント
両方に共通して言えるのは、「誠実な態度」と「具体的な根拠」を持って交渉することです。
また、価格以外の条件(支払い時期や保証など)にも目を向けることで、交渉の幅を広げることができます。
【賃貸物件編】不動産の値引き交渉の言い方を解説
賃貸物件の値引き交渉を成功させるには、戦略的なアプローチと準備が欠かせません。各項目で解説します。
- 家賃交渉で何パーセント交渉したらいいですか?
- 賃貸物件の交渉で成功する秘訣
- 【例文】賃貸物件で値引き交渉の言い方
- 賃貸交渉で失敗しないための注意点
家賃交渉で何パーセント交渉したらいいですか?
家賃交渉では、一般的に5~10%の値引きが現実的な範囲とされています。
近年では値引きを考慮して、上振れした家賃で広告をしている場合が多くあります。ただし、交渉可能な範囲は、物件の条件や地域によって異なるため、一律には言えません。
交渉できるかどうかは、やってみなければ分からないので、交渉はとりあえずやってみるべきです。
賃貸市場において空室が長期間続いている物件では、オーナーが早期に契約を結びたいと考えているため、10%以上の値引きが可能なケースもあります。一方で、人気物件や新築物件では、値引きの余地がほとんどないこともあります。
交渉に際しては、「なぜその価格を希望するのか」を明確に伝えることがポイントです。
たとえば、「他の近隣物件と比較して割高」「周辺設備に対して費用が見合わない」など、具体的な理由を挙げることで、オーナーに理解してもらいやすくなります。
また、家賃交渉が成立しない場合でも、フリーレント(無料期間)や共益費の減額といった代替案を提案することも有効です。実質的な費用負担を軽減できる場合があります。
交渉後は、必ず契約内容を確認し、希望条件が反映されていることを確かめましょう。
家賃交渉は、相手との信頼関係を保ちながら進めることが成功の鍵です。
賃貸物件の交渉で成功する秘訣
- 物件の市場価値を把握する
交渉を始める前に、対象物件の市場価値を調査しましょう。同じエリアや類似の条件を持つ物件の家賃を比較することで、値引きが妥当かどうかを判断できます。市場価格より高い場合、その差額を根拠に交渉を進めると効果的です。 - 交渉時期を見極める
入居率が下がりやすいタイミングを狙うのもポイントです。
例えば、繁忙期を過ぎた時期や、年度末など大家や管理会社が契約数を増やしたいと考えるタイミングは、家賃交渉が受け入れられやすくなります。 - 信頼関係を築く
大家や管理会社とのコミュニケーションを大切にすることも重要です。
礼儀正しく、相手の意図を尊重した姿勢を示すことで、交渉の場が和やかになり、希望を受け入れてもらいやすくなります。また、長期間の入居を希望する場合は、その意向を伝えるとさらに好印象を与えられるでしょう。
これらの秘訣を活用しつつ、自分の条件を明確にして交渉に臨むことで、理想の契約条件を引き出せる可能性が高まります。
大手の管理会社が機械的に管理しているような物件の場合、交渉が難しい場合もあります。がやらないよりやるべきです。
【例文】賃貸物件で値引き交渉の言い方
賃貸物件の値引き交渉では、言葉遣いと根拠の提示が大切です。以下に状況に応じた例文を3つご紹介します。
市場価格を基に交渉する場合
「こちらの物件を非常に気に入っております。ただ、近隣物件と比較すると少し家賃が高く感じます。この点を考慮いただき、月額○○円の調整が可能かご検討いただけますでしょうか。」
長期間の入居を示す場合
「長期的に住むことを検討しておりますので、その分家賃の調整が可能であれば大変ありがたいです。お互いにとって良い条件で契約ができればと思っております。」
初期費用を含めて交渉する場合
「家賃も魅力的ですが、初期費用がやや高く感じております。家賃または礼金の一部調整が可能であれば、ぜひ契約を進めたいと思いますが、いかがでしょうか。」
すべての条件組み合わせて丁寧に交渉する場合
このたびは貴社が管理されている賃貸物件について、ぜひお借りしたいと考え、ご相談させていただきます。 こちらの物件は立地や間取り、周辺環境のすべてが私たちの希望にぴったり合っており、大変気に入っており、ぜひ新生活のスタートをこちらで迎えたいと考えております。 ただ、近隣の同条件物件と比較した際、少々家賃が高めに設定されているように感じております。同様の条件で少し割安な物件も見受けられるため、恐縮ではございますが、月額○○円ほどの家賃調整をご検討いただけないでしょうか。 また、私たちは長期的にこちらに住むことを検討しており、更新時期が来ても継続して住み続けたいと考えております。そのため、お互いにとって良い条件で契約を結ぶことができれば、大変ありがたく存じます。 さらに、初期費用についても少しご相談させていただきたいと思います。家賃に加え、礼金や敷金などの初期費用が予算を超えてしまう可能性があるため、これらの一部ご調整が可能であれば、契約を前向きに進めることができる状況です。 特に、更新料は無しにしていただくか、もしくは半額にしていただけると非常に助かります。 大変勝手なお願いであることは承知しておりますが、誠実に条件を話し合い、お互いにとって良い結果が得られるようにしたいと考えております。お忙しいところ恐縮ではございますが、ぜひご検討いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
これらの例文では、柔らかく丁寧な表現を使いながら、具体的な根拠や条件を提示しています。また、「ご検討いただけますでしょうか」などの敬意を示す言葉を添えることで、相手の印象を良くすることを意識しています。
目ぼしい物件がある場合、その物件を管理をしている業者に、内見や申し込みを行うのが望ましいです。
賃貸交渉で失敗しないための注意点
賃貸交渉を進める際には、いくつかの重要な注意点を押さえておくことで、トラブルや交渉の失敗を防ぐことができます。
根拠のない値引き交渉をしない
適正価格の範囲を超えた無理な要求は、信頼関係を損なう原因になります。市場相場や類似物件の価格を事前に調査し、現実的な交渉ラインを設定しましょう。
初対面での強引な交渉は避ける
まだ関係性が構築されていない段階での強気な交渉は、相手に不快感を与える可能性があります。まずは礼儀を重んじ、信頼を築くことから始めてください。
契約に関する細部を確認する
値引き交渉が成立しても、契約内容が変更されていない場合があります。賃料や初期費用の明記を含む契約書を必ず確認し、不明点があればすぐに相談することが大切です。
時間をかけすぎない
賃貸物件は足が速く、交渉が長引くと、物件が他の希望者に取られるリスクが高まります。事前準備をしっかり行い、速やかに交渉を進めることが必要です。
複数の条件を提示する
交渉が行き詰まった際には、値引きだけでなく契約期間の調整や家具付きなど、他の条件も提案しましょう。柔軟な姿勢が解決策を生み出すことがあります。
感情的にならない
交渉が思い通りに進まなくても感情的に振る舞うのは逆効果です。冷静な態度を保つことで、相手からの信頼を得やすくなります。
交渉の意図を明確にする
ただ安くしたいという理由ではなく、「生活コストを抑えたい」「この物件に長く住みたい」など、具体的な意図を伝えると交渉が受け入れられやすくなります。
重要な点をメールで記録する
交渉内容や変更点は口頭だけでなく、メールで確認しておきましょう。後々のトラブル防止につながります。
妥協点をあらかじめ決めておく
交渉には限度があるため、自分が譲れるラインと絶対に譲れない条件を事前に整理しておくことが重要です。これにより、スムーズな意思決定が可能になります。
賃貸交渉で成功するためには、事前準備と冷静な対応が鍵です。これらの注意点を押さえた上で、誠実に交渉を進めてください。
不動産の値引き交渉の言い方と同時に知っておくべきこと
不動産の値引き交渉の際に知っておくべきことについて以下の点で解説します。
- 交渉のタイミングを見極めるコツ
- メールで値引きを依頼する際の注意点
- 【例文】メールで値引きを依頼する際のメール文章
- 値引き交渉の際に使える言い方13集
- 値引交渉が出来た後にはキャンセルしない
交渉のタイミングを見極めるコツ
交渉の成功には、適切なタイミングを見極めることが不可欠です。タイミングによって交渉の成否が大きく変わるため、以下のコツを活用しましょう。
- 繁忙期と閑散期を理解する
不動産業界では、引っ越しが集中する1月から3月が繁忙期に当たり、この時期は値引き交渉が難しい場合が多いです。一方、閑散期にあたる4月から夏や年末は、空き物件が多いため大家や管理会社も柔軟に対応しやすく、交渉に適した時期といえます。 - 契約更新時を狙う
賃貸物件では、契約更新時が交渉のチャンスです。更新のタイミングで値引きを提案すれば、継続して入居する意志を示しつつ交渉を進められるため、相手にとってもメリットがあると感じてもらいやすくなります。 - 新築や中古戸建では完成後を狙う
新築物件の場合、完成直後は売主が契約を急ぐことが多く、値引き交渉がしやすいタイミングです。
中古戸建では売りに出されてから半年以上の期間経過している場合、早期売却を目指して値引きに応じやすくなります。 - 市場動向に注意する
金利の変動や地域の需要の変化もタイミングを判断するポイントです。需要が低い時期や金利上昇の影響で購入者が減少しているタイミングでは、値引き交渉がスムーズに進む可能性があります。 - 交渉開始前に相手の状況を把握する
大家や売主が急いで契約を進めたい理由がある場合、交渉の余地が生まれやすいです。例えば、転勤や財政的な事情が背景にあることを調べておけば、適切な交渉時期を掴む手がかりとなるでしょう。
これらのポイントを踏まえ、計画的に交渉のタイミングを見極めることで、有利な条件を引き出す可能性を高められます。
メールで値引きを依頼する際の注意点
メールで値引きを交渉をする際には、直接対面や電話で行う場合とは異なる注意点があります。
値引きは売主や貸主からするとデメリットな話題でもるため、出来るだけ熱意も伝わりやすく温度感も把握できる電話か対面の方が望ましい。
- 件名に目的を明確に記載する
メールを開いてもらうためには、件名で目的を明確に伝えることが重要です。例えば「◯◯物件に関するご相談」や「お見積りに関してのお願い」など、依頼内容を簡潔に記載しましょう。 - 相手に失礼のない表現を使う
メールは文字だけのやり取りのため、意図が誤解される可能性があります。「お手数ですが」「ご検討のほどよろしくお願いいたします」といった丁寧な表現を意識しましょう。 - 理由を具体的に説明する
値引きを依頼する理由が曖昧だと、相手も応じにくくなります。例えば、「市場価格との比較」や「予算の都合」など、具体的な根拠を添えることで説得力が増します。 - 簡潔で分かりやすい文章構成にする
長文になりすぎると要点が伝わらなくなります。要件は短くまとめ、必要な情報を箇条書きにするなど、相手が読みやすい工夫を心がけましょう。 - 返信期限を設ける
依頼に対する回答が遅れると交渉全体が進みにくくなります。「お忙しいところ恐縮ですが、◯月◯日までにご回答いただけますと幸いです」といった返信期限を記載することで、相手もスケジュールを調整しやすくなります。 - 確認事項を明記する
値引き額だけでなく、他に交渉内容がある場合は、それも明記しておきましょう。例えば「この条件で進められるかどうかを含めてご教示ください」といった形で伝えるとスムーズです。
言いにくいかもしれませんが、出来れば対面か電話の方が熱意が伝わりやすいです。
【例文】メールで値引きを依頼する際のメール文章
値引交渉に使うメールの例文の事例を紹介します。個々の状況に合わせアレンジして利用頂けたらと思います。基本的には上記で解説した言い方の例と同じでも構いません。
賃貸物件に関するメール例文
件名:◯◯物件についてのご相談 〇〇不動産株式会社 担当者様お世話になっております。◯◯(自身の氏名)と申します。 このたび、貴社がご案内されている◯◯物件の契約を検討しております。 誠に恐縮ではございますが、家賃に関してご相談させていただけないかと思いご連絡差し上げました。 市場価格を調査したところ、同様の条件の物件で〇〇円程度の価格帯が一般的な傾向にあるようです。 つきましては、◯◯円までの値引きが可能かどうか、ご検討いただけますでしょうか。 〇〇円に値引きが可能であれば、すぐにでも契約に進みたいと思っています。 ご多忙の中恐縮ではございますが、〇月〇日までにご返答いただければ幸いです。 何卒よろしくお願い申し上げます。 ◯◯
購入物件に関するメール例文
件名:購入希望物件についてのお願い 〇〇株式会社 営業担当 ◯◯様平素より大変お世話になっております。 このたび、貴社のご案内する〇〇物件の購入を検討している◯◯(自身の氏名)です。 大変申し訳ございませんが、私の予算の都合上、現在提示されている価格に関してご相談させていただきたいと存じます。 具体的には、〇〇万円程度の値引きが可能であれば非常に助かります。 これが可能であれば、迅速に契約を進めさせていただく意向です。 ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 ◯◯
これらの例文を基に、自身の状況に合わせてアレンジすることで、メール交渉の成功率を高めることができます。
値引き交渉の際に使える言い方13集
値引き交渉の際には、丁寧で具体的な言い方を使うことで、相手に好印象を与えつつ、交渉をスムーズに進めることができます。
以下に、状況に応じたフレーズをいくつか紹介します。
- 初めて交渉を切り出すとき
「お忙しいところ恐れ入りますが、こちらの価格について少しご相談させていただきたく存じます。」
このフレーズは、相手に配慮しつつ交渉の意図を伝えるのに有効です。 - 具体的な希望を伝えるとき
「市場価格を調査したところ、同条件の物件が〇〇円程度で販売されていることが分かりました。ご検討いただけると幸いです。」
データや根拠を示すことで、説得力が増します。 - 柔軟な姿勢を示す場合
「こちらの希望は〇〇円ですが、条件によっては他の提案も前向きに検討いたします。」
一方的な要求ではなく、双方に利益がある形を提案することで、交渉が円滑に進む可能性が高まります。 - 金額以外の条件に触れる場合
「価格の調整が難しい場合は、保証期間の延長や設備の追加などでご対応いただけないでしょうか。」
金額だけでなく、付加価値を求めるアプローチも有効です。 - 相手の立場を尊重する言葉を添える
「もちろん、貴社の状況もあるかと存じますので、無理なお願いでない範囲でご検討いただければと思います。」
相手に対するリスペクトを示すことで、印象を良くします。 - 購入意思を示しつつ交渉する場合
「この物件が非常に気に入っておりますが、もう少しご配慮いただけると購入を前向きに検討できる状況です。」
購入意欲を伝えることで、相手に譲歩を促します。 - 時期を理由に交渉する場合
「現在の時期を考慮し、価格について少し柔軟にご対応いただけないでしょうか。」
時期的な要因を交渉材料にする方法です。 - 修繕箇所を指摘して交渉する場合
「この箇所の修繕が必要となるため、その分を差し引いてご検討いただけるとありがたいです。」
具体的な修繕費用を挙げると、より説得力があります。 - 同条件の競合物件を示す場合
「他の物件では同条件で〇〇円が提示されておりましたので、こちらも調整可能かご相談させてください。」
競争原理を利用して交渉を進めます。 - 長期売却物件での交渉
「この物件が市場に出てからの期間を拝見し、価格調整の余地があるのではと思いました。」
長期売却物件は交渉の余地がある場合が多いです。 - 細かい費用負担を減らす場合
「値引きが難しい場合、仲介手数料や諸経費の一部ご負担をご検討いただけないでしょうか。」
価格だけでなく、関連する費用を減らす方法です。 - 最低希望価格を提示する場合
「具体的な希望価格として〇〇円を考えておりますが、そちらでいかがでしょうか。」
初めから明確なラインを提示することで、交渉を効率的に進められます。 - 最終決定を仄めかす場合
「他の選択肢も検討しておりますが、この条件が可能であればすぐに決定したいと考えております。」
競合を匂わせつつ、決定権をアピールします。
これらのフレーズを状況に応じて使い分けることで、交渉が実りあるものになるでしょう。
売主や貸主にとっては、良い話題ではない為、たくさんのフレーズを使いすぎると嫌がられる場合もあるので、使い過ぎには注意ください。
値引交渉ができた後にはキャンセルしない
値引き交渉が成立した後にキャンセルをすることは、取引相手との信頼関係や将来的な取引の可能性に大きな影響を及ぼします。
不動産取引は一度成立した約束を守ることで円滑に進むものです。そのため、成立後のキャンセルは慎重に避けるべき行動です。
値引き交渉が成立した段階で、売主や仲介業者はすでに他の買い手との交渉を断ったり、契約準備を進めたりしています。
この段階でキャンセルを行うと、相手に無駄な手間をかけるだけでなく、損害を与えることにもつながり、相手との信頼関係を損ない、将来的に不動産取引の場面で「信頼できない買い手」として評価される可能性を生じさせます。
とはいえ、どうしてもキャンセルを避けられない事情が発生した場合もあります。
そのような場合には、早い段階で誠意をもって相手にその旨を伝えることが大切です。
理由を具体的に正直に説明し、謝罪の姿勢を示すことで、相手の理解を得られる可能性が高まります。無理に取引を進めるよりも、正直で誠実な対応が最善の選択となる場合もあります。
値引き交渉を受け入れてもらえたことに感謝し、正直に理由を説明してキャンセルする旨を伝えましょう。
【まとめ】不動産値引き交渉の言い方と成功の秘訣
値引きができるかどうかは、売主やオーナーの事情や考えが物件ごとに異なるため、やってみなければ分かりません。
どの物件でも共通して言えることは「交渉はやらないよりやるべき」です。
交渉ができればラッキーで、値引きができなくてもしょうがない。という気持ちで申し込むのが理想です。
ぜひ参考にして頂き値引き交渉を成功させてください。
- 値引き交渉は事前リサーチが重要
- 周辺相場や物件の状態を確認する
- 新築物件は在庫期間をチェックする
- すべての物件で値引きができる訳ではない
- 交渉する金額は10段階中「5~7」の金額を狙う
- 丁寧な言葉遣いを意識する
- 市場価格と比較して根拠を提示する
- 修繕や改装費用を理由に交渉する
- 長期間売却中の物件は交渉がしやすい
- 年末や閑散期などタイミングを見極める
- 一方的な要求ではなく代替案も提示する
- 賃貸物件では家賃の5~10%が目安
- メール交渉では丁寧で簡潔に伝える
- キャンセルは信頼を損なうため慎重に
- 購入意思を示すことで交渉が有利になる
- 売主の立場を考慮した提案をする
- 条件改善を含む柔軟な交渉を目指す